覚せい剤の危険性とは?
ここしばらく、世間を賑わせている「覚せい剤」などの違法薬物は、当然ながら法律で厳しく規制されています。
よく、「使ったら廃人になる」「たった一度で人生が台無しになってしまう」という話を聞きますが、正確にはどういう経緯で、体が壊れてしまうのでしょうか。
今回は、違法薬物に手を出すことの危険性をお伝えしていこうと思います。
・脳が「覚せい」するが…
覚せい剤を使用すると、集中力が増し、食べなくても平気な感覚になり、さらには全然眠くなりません。文字通り脳が「覚せい」するのです。
おまけに疲れも感じないため、何時間でも活動でき、それこそスーパーマンにでもなったような気がします。
しかし、そんな時間も長くは続きません。
・襲ってくる「脱力感」
覚せい剤の効力がなくなると、いままで感じたことのない「脱力感」に襲われます。
何もする気が起きず、ずっと横になり、のどだけが乾き、水分を欲します。
これが「禁断症状」です。
禁断症状では、見えないものが見えたり、聞こえない音や声が聞こえたりと、幻覚・幻聴が発生する場合もあります。
つらい状況からいち早く脱する方法があります。
それが覚せい剤を使うことなのです。
・悪循環と常習性
禁断症状から逃れようと、人は覚せい剤を再度使用します。
すると、つらい状況から解放され、最初に味わった幸福感が訪れます。
ここで初めての使用と違うのは、マイナスから幸福感になったところです。
初めての使用はニュートラルから幸福感への移行ですが、禁断症状というマイナスの状況から一気に幸福感へ達するため、その快感は強烈なのです。
マイナスからの幸福感に味をしめてしまえば「常習性」が完成します。
「絶対に常習者になる」というのは、ここからきています。
さらに、人体には「耐性」が存在します。
だんだんと効き目が薄れていき、それにあわせて使用量も増えていくのです。
・脳内の異常
人間の脳内には、ドーパミンという物質が存在します。
このドーパミンが、興奮などをつかさどるアドレナリンに変換されることで、人はやる気が出ます。
覚せい剤はドーパミンに似た物質で出来ているため、体内に取り込むと興奮状態になります。
すると脳が「ドーパミンが無くても覚せい剤が興奮させてくれるから大丈夫だ!」と錯覚してしまい、最悪なことに、ドーパミンが分泌されなくなるのです。
一度止まってしまうと、脳がドーパミンを分泌することは二度とありません。
結果、人は覚せい剤なしでは動くことができなくなり、最終的には廃人と化してしまうのです。
こうして人は堕ちていくのです。どこまでも、どこまでも。
違法な時点で、そもそも手を出してはいけないことは当たり前なのです。
覚せい剤は、百害あって一利なし。
手を出したら最後です。