冬はなぜインフルエンザが流行するの?
先週末の1月29日、厚生労働省がインフルエンザの流行について、注意報レベルを発令しました。
注意報レベルとは、4週間以内に大流行する可能性がある場合に発令されます。
ちなみに、注意報レベルの上は、警報レベルになり、流行と継続が疑われる際に発令されます。
そもそもなぜ寒い時期になるとインフルエンザが流行するのでしょうか。
今回は、インフルエンザのメカニズムについて調べてみたいと思います。
・インフルエンザって?
インフルエンザは、原因になっている「インフルエンザフィルス」が悪さをして引き起こされます。
症状としては、38度を超える高熱や体中の痛みなど、風邪と似ていますが、実際はまったくの別物です。
ちなみに「インフルエンザ菌」という菌も存在しますが、こちらはインフルエンザとは無関係です。風評被害。
・風邪との違い
風邪は発熱、鼻水、のどの痛みなどをともなう急性の炎症ですが、インフルエンザは約1〜2日、最大で一週間の潜伏期間を経て、発症します。
またインフルエンザそのものにも複数あり、大きく分けてA型、B型、C型の3種類があります。
中でも寒い時期に流行するのはインフルエンザA型で、特にA香港型が「季節性インフルエンザ」と呼ばれています。
・なんでA香港型っていうの?
A香港型のほかに、Aソ連型も存在します。
これは、初めてウィルスが見つかった場所や土地の名前を付けることが決められているからです。
A香港型は、1968年頃に香港で爆発的に流行したH3N2型。
Aソ連型は、1977年頃にソ連西部で流行したH1N1型を指します。
・なぜ流行するの?
1月から2月にかけて流行する「季節性インフルエンザ」はなぜ流行するのでしょうか。
ひとつは気温と湿度の関係です。インフルエンザウィルスは高温多湿に弱い反面、低温で低湿度の環境では生き生きします。
日本の冬は低温で、さらに湿度も低いため、インフルエンザウィルスがまん延しやすいのです。
もうひとつは人間の免疫力です。冬は空気が乾燥し、人間の免疫力も大きく低下します。
寒さで弱った体に生き生きとしたウィルスが入り込めば、かなりの確率で発症してしまいます。
・予防接種を受けても油断は禁物
実はインフルエンザワクチンの原料は、インフルエンザウィルスなのです。
感染性を除いて、処理を施されたインフルエンザウィルスを体内に取り込み、免疫を作ることを目的としています。
しかし、感染を100%防ぐことはできません。
大体60%、よくても70%といわれていますので「予防接種を受けたのに効果が無かった!」と嘆かないように。
あくまでも、感染する可能性を下げる行為と割り切りましょう。
インフルエンザが流行しやすいのは、乾燥して気温の低い冬の時期、そして予防接種で感染を防げる確率は約60%、つまり、ひと言で表すと、
どんなに防ごうとしても、運が悪ければ感染する。
以上、皆さんもインフルエンザに気をつけて、2月を乗り切りましょう。