用語で覚えるFX取引~レバレッジ編 ‎


 

FX取引の基本的な知識を用語で覚える本シリーズ。
まずはレバレッジについて解説します。

 

FX取引で大事なのは、大きく儲けることよりも、
地道に年利で数程度のもうけをコンスタントに出すこと。

そうすることで、有効な資産管理になるという点について、
「FXは「金利の良い預金」と考えるべし!」の回で紹介しました。

 

たとえば、100万円の貯金があるとしましょう。
100万円の年利5%ということは5万円ですよね。

FX取引は、通貨ペアのレートの差額で利益を出す取引ですが、その単位は「銭」。
こんなに小さな取引で、なぜ「万」単位の利益が出るのでしょうか。

 

今回はFX取引で儲けを出す秘密「レバレッジ」について紹介しましょう。

 

●軽い体重の人が重い体重の人を持ち上げるには

レバレッジというのは、日本語でいうと「てこ」の意味です。

子どもの頃にシーソーをやったとき、体重の軽い人と重い人で釣り合わせるために、
軽い人が支点から遠くに座り、重い人が支点の近くに座ったことはありませんか。

小さな力で大きなものを動かす際に使うのが「てこの原理」なのです。

 

FX取引でいうレバレッジというのは、
少ない資金で大きな額を動かすことができる仕組みのこと。

株の信用取引でも数倍程度のレバレッジを使えることはありますが、
FX取引のレバレッジはなんと25倍まで効かせることができます。

 

通常、FXは取引の最低ロットがあります。

以前は1回の取引で1万ドルが必要な「1万通貨」という方式が一般的でしたが、
最近は初心者への配慮からか、10万円からスタートできる「1000通貨」でのトレードが増えてきています。

 

ちょっと例を挙げてみましょう。

米ドル/円の通貨ペアを買ったところ、期待通りに50銭値上がりをしたので、
これを売って利益を確定します。

1000通貨の場合、50銭×1000なので、儲けは500円となります。

 

「えっ、たったの500円???」と思いましたか?
たしかにたった500円ではやってみようという気にはなりませんよね。

けれども、もしここでレバレッジを最大の25倍で取引を行っていたら、
500円×25で儲けは1万2500円になるのです。

FX取引は、買った直後に値上がりしたら、
すぐに決済できるのでほんの数秒で儲けが出ます。

これを日に数回繰り返せば・・・、けっこうすごいことになりますよね。

 

●レバレッジの効かせ過ぎには注意も必要

ただ、もちろんオイシイ話ばかりではありません。

レバレッジを効かせてバンバン儲かるなら、みんなお金持ちになれますよね。

でも、大きく儲けることができるということは、
その一方で大きな損失が出る可能性もあるということ。この点は忘れてはいけませんよ。

 

レバレッジが最大25倍まで使えるといっても、
実際に最大限に効かせている人はほとんどいません。

おそらくほとんどの人は2倍から3倍程度、
ビギナーを卒業した人でもせいぜい5倍でしょう。

多くの人が最大倍率のレバレッジを選択しないということは、結果的にはこれが危険だから、
つまり、ほどほどのレバレッジにしておくことが「負けないコツ」だからなのです。

 

FX取引で大事なのは、1回の取引で大儲けしようと思わずに、
コツコツと小さな儲けを積み重ねること。

大きく負けて、自己資金が減ると、口座を強制的に凍結されてしまうこともあります。

長い目で見れば、小さな「勝ち」を続けていくことが、
FX取引を資産管理に生かすための賢いやり方なのです。

 

 

筆者:オオタヒサシ


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