ソーシャルゲームに潜む課金システムの闇


いまや、スマートフォン、タブレットなどのオンラインプラットフォームにおけるゲームの市場規模は、7886億円にも上っています。

毎年、星の数ほど新作のゲームタイトルが生まれていては、反面で、同等かそれ以上に消えていくのもまた事実。
数年前から、ソーシャルゲーム市場は戦国時代だと言われていますが、根強い人気を持つタイトルは、何が理由で、生き残っていくことができるのでしょうか。

バトルものならば、敵とのバトルが快感。
カードものならば、レアカードを集めるのが楽しい。
キャラクターものならば、登場人物が魅力的。

様々な理由があると思いますが、ほとんどのタイトルに言えること、それは、課金の煽りが上手いということ。
課金といえば、いわゆるガチャが思い浮かびますが、人気のあるタイトルは、やはりガチャで課金を煽る方法が非常に巧妙です。

なぜ、実物として残らない、ただのデータに、人は大金をつぎ込んでしまうのでしょうか。
今回は、一番のポイントでもある「ガチャ」について、考えていきたいと思います。

 

1:巧妙に仕組まれた確率

江戸幕府を創設した徳川家康は、「百姓共をば、死なぬように生きぬようにと合点いたし収納申し付くるよう」という言葉を残しています。

百姓たちが餓え死なぬよう、しかし肥えたりせぬよう、限界のところまで年貢を納めさせるようにするという意味です。
まさに、現在の課金ユーザーに対する、ゲームの運営側の思惑が集約されている言葉ではないでしょうか。

何万、何十万と課金しても目当てのものが手に入らなければ、ほとんどのユーザーは課金を辞めてしまいます。しかし、ユーザーが課金を辞めないように、絶妙な確率で貴重なアイテムやカード、キャラクターなどを設定し、「また次も! また次も!」という気持ちにさせるのです。

 

2:ヘビーユーザーの囲い込み

課金ユーザーによっては、毎月100万円以上をつぎ込む人も多く存在します。
ゲームの運営側からすれば、毎月1万円を課金するユーザー50人と、毎月100万円を課金するユーザー1人、どちらをひいきにするでしょうか。

当然、100万円の課金ユーザーです。

言い方は悪いですが、大金を毎月落としてくれるユーザーは、上客なのです。

タイトルによっては、ヘビーユーザーの機嫌を損ねないよう、問い合わせがあれば、慎重に答え、アンケートを行って回答があれば、その通りにゲーム内容を変更し、さらには、ヘビーユーザーがSNSを使っていれば、アカウントを調べ上げ、趣味嗜好に沿って、ゲームを作り上げていくのです。

信じられないかもしれませんが、こういったことも、少なからず行われているようです。

 

3:新しい課金対象

ガチャの内容も、新しいものがどんどん追加されていきます。
人気のあるタイトルは、この新しいガチャを登場させるスパンが絶妙なのです。

通常、新しいガチャを発表し、課金額が落ち着いてきたら、さらに新しいガチャを登場させる。
本来ならばこれが通説なのですが、人気タイトルは、新しいガチャを発表し、課金額が落ち着く前に、次の新しいガチャを告知します。

本来ならば、「また新しいのが出るのか、ならいまのガチャは引かなくていいかな」と思うのですが、ここで運営側は「現在開催しているガチャは、もう二度と開催されない…かも」ということを匂わせます。
確定的ではなく、あくまでも「かも」です。

これによりユーザーは、「二度と手に入らないなら、いまのうちにたくさん引いておかないと!」という気持ちにさせ、さらには次のガチャへも期待を膨らませ、結果として、どちらのガチャも引いてしまうのです。

このような巧妙な方法で、課金ユーザーの射幸心を煽っているのです。

 

いかがでしたでしょうか。

様々なソーシャルゲームが存在しますが、本質はほとんど一緒、運営側は1円でも多くユーザーからお金が欲しいのです。
もちろん、生活するため、食べていくためですので、これが完全に「悪」とは言えません。むしろユーザーが幸せを得られるならば、win-winです。

ただし、ユーザーは節度を持って楽しむことが重要です。
もしこれを読んでいる人で、課金をしている人がいましたら、のめり込み過ぎに注意しましょう。

 

私は課金を辞めるつもりはありませんけどね!!!

Yusuke


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