SNS時代のネットリテラシーとは?
スマホが普及したことでSNS時代を迎えたと言われる現代。
食事や遊びに出かけたら、その場で写真を撮ってTwitterやFacebookにアップするという方も多いでしょう。SNSではリアルタイムに双方向のやり取りができるので、友人からコメントをもらえば、話題が盛り上がって楽しいですよね。
このように自分の身の回りの話題を投稿して、内輪で楽しむぶんにはいいのですが、その一方でアカウントを乗っ取られたり、ちょっとしたことで執拗に絡んでくる人がいたり、SNSにはSNSのリスクもあります。
今回はそんなリスクの中から、拡散やシェアにまつわる危険性と注意点について考えてみたいと思います。あなたも、知らず知らずのうちにデマ拡散に「加担」しているかも……?
●著作権侵害や風評被害の可能性も
SNSの特徴のひとつに「拡散」があります。
Twitterなら「リツイート」、Facebookなら「シェア」がそれに当たります。
耳寄り情報や気になる記事があったら友達に教えたくなるものですよね。クリックひとつでそれができるのだから、ついつい拡散してしまうのは無理もありません。
けれども、拡散にはリスクがつきものだということは知っておいた方がいいでしょう。
最近では、ネット内での盗用が深刻な著作権侵害につながるケースが出ています。その典型的な例が、オリジナルの写真やイラストが知らない人に盗用されているというもの。
TwitterやFacebookをやっている本人にその気がなくても、リツイートやシェアによって、著作権侵害の片棒を担いでしまっていることもあるのです。
さすがにこの程度で訴えられることはないにしても、自分が拡散したコンテンツが盗用だったとあとで判明すれば、後味は悪いはずです。
また、東日本大震災後はネットのデマが風評被害を招くといった事態も起こりましたし、いわゆるヘイトスピーチが差別につながるといった実害も出ています。
いくらその気がないとしても、拡散することで結果的にこんなことに「加担」するのは嫌ですよね。
●ソースを確認することでリスクは回避できる
けれども、こうしたことを防ぐ簡単な方法があります。それは元情報を確認すること。
きちんと元情報にアクセスでき、それが公的なものであればまず問題ないと考えていいですよね。
もし元情報が個人のブログや掲示板のようなものの場合は、同じ情報を流しているサイトがないかどうかを検索してみるといいでしょう。
それがたくさんあれば信憑性が高まりますし、他に見つからなかったり、そもそも元のソースがたどれないような場合は、リツイートやシェアを控える方が無難です。
最近よく「ネットリテラシー」という言葉を聞きます。ネットの情報を正しく活用できる能力のことですよね。
けれども、この能力が「少しでも早く拡散すること」という誤った認識を持っている人も少なくありません。
考えてもみてください、重要なニュースなら放っておいても広まりますし、ほんの数分、他の人より先に拡散したからといって、事情通というわけでもありません。
きちんとソースを確認して、確実でない情報は拡散しない、これがSNS時代に必要な本当のネットリテラシーと言えるのではないでしょうか。
筆者:オオタヒサシ