台を叩くお客様への対応4STEP〈後編〉
お願いをしても止めてくれない…
そんなときにとるべき最終手段とは?
このコラムはパチンコ店をはじめとしたサービス業の具体的なシチュエーションを例にして連載しています。
前回の第4回に続いてThe Situationは、台をたたくお客様がいた場合。4つのSTEPのうち、STEP2以降を紹介していきましょう。
STEP1の「確認に行く」を行っても台パンチを繰り返しそうなお客さまの場合はSTEP2に移行する必要があります。
STEP2:「お願いする」
ハウスルールなどの遊技マナーの説明と合わせ、「台を叩かれますと、お怪我される恐れがありますので…」と、あくまで、お客様側に立ち「お願い」します。
ポイントは「お客様サイドで考える」ことです。
もし、このときに「台が壊れてしまいますので、お止めいただけますか」と言ったらどうでしょう。店側の都合ばかりを押しつけるだけで、共感してもらえません。ますますお客様の怒りを買うかもしれませんね(でも、よくあるんですよ。お店にはこういう光景が)。
一通りお願いをした後は一旦現場から離れて、様子を見ます。
STEP3:「警告」
それでも、台パンチが収まらない場合はこう言います。最終通達に近い内容です。
「叩くと他のお客様が驚くので」
「台が故障してしまうので」
といった言葉をかけます。
そして、
「マナーを守っていただかないと、お客様が当店でプレイできなくなる」
と予告します。
このとき「自分たちではこれ以上対応できないので、警察に来てもらうしかない」
と伝えてもいいと思います。
従業員や他のお客様が怖がっているわけですからね。
それでも、止めていただけないようであれば、本当の最後の手段です。
STEP4:「入店禁止措置」
場合によってはSTEP2の「お願い」をスキップして良いほど乱暴で、他のお客様にご迷惑がかかる場合もあるかもしれません。
しかし、基本は「ご理解いただいて、冷静に戻り、マナーの良い顧客としてお付き合いいただく」ことを念頭に置き、性善説で対応することが大切です。
私が現場で感じたことは、女性スタッフはもちろん、男性スタッフ(社員含む)までもがこの手のお客様対応に腰が引けてしまっていることです。
他のお客様から「あの荒っぽい客をなんとかしてよ」と具体的に懇願されても、毅然とした態度でマナーを守っていただくお願いができる方が少ないようです。
周りのお客様も、スタッフがどう対応するか見ていますから、裏切るような行為があってはいけません。
しっかりとした対応例を作り、インカムで情報を共有しながら、毅然とした態度で実行していく必要があります。
そうでなければ安心な環境作りを約束することはできません。
次第に常連のお客様の足が遠のいてしまう恐れがあることは言うまでもありません。
筆者:小田利德